うわっつら相談の末路

 酒場の話題を聞いていると、だいたい男女の関係性の話が多い。誰が誰と付き合っているとか、アイツは浮気しているとか、あの子は小さいサークルの中で男を乗り換える性悪女であるとか。その話のテイストが相談スタイルを取っている場合は返答しなければいけない。恋愛相談は僕の専門外だ。

 一般論で応対できる話ならばまだ良いが、既婚者の浮気に関する話はさらに専門性が強くて答えにくい。そもそも「オレに聞くな」と思わなくもないが、僕など広く意見を求められたうちの一部に過ぎない。ここは私心を捨て、その浮気男もしくは浮気され女房の気持ちを憑依させて考えてみよう。

 当然のことながら、霊媒師経験のない僕は彼らの気持ちを入れられない。だから、結局はうわっつらの言葉を言うことになる。僕の世界最弱な持論に「言うほど人は浮気しない」というのがある。理由は疲れるからだ。みんなTVに洗脳されて、芸人の浮気発言を一般化し過ぎなんじゃなかろうか?

 あと、男の浮気は見栄のようなものだとも思う。モテている、遊んでいるというイメージは「仕事できそう」な気がする。それは、社会における戦闘力の高さだ。つまるところ「オレは強いんだぞ」と威張っているわけだ。その社会的地位マウンティングの根拠としての遊んでいるアピールなのだ。

 以上が僕の仮説。さらに補足すると、男の浮気が見栄で、内実が空っぽなのと裏腹に、女性の浮気は濃い濃いで気持ちも乗っていると聞いたことがある。僕は女性じゃないし、女性の気持ちもわからないけれど、浮気は性別問わずするもの。男の浮気相手だって、ほとんどの場合は女性なわけだし。

 経験がないと話せないと言うが、想像力でも話すことはできる。しかし、そこにはズシンと重い根拠が必要で、想像の話には根拠がない。僕も話していて冷めるし、楽しめなくなる。今もツラツラとうわっつら思考で記してみたが、読み返す気も起こらないほど適当だ。だから人から相談されない。

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むかしから人望がない僕。ネギ盛り放題の店ではこのザマだ。浅い。