あの勘違いは正せない
どうでも良いことなのに、思い出すと居ても立ってもいられなくなるくらい恥ずかしいことがある。相手がある話の場合は、その相手への申し訳なさで汗が出てしまう。勘違いで、ほんのり不快にさせてしまうのだ。そんな些細な恥を思い出して、ここ数日思い出すたびに変な汗をかき通しである。
自分が気にしすぎで、実際に相手は何も気にしてないことの方が多い。でも、相手が気にしてないことを確認できる場合は、その勘違いの件をまずコチラが詫びる機会がある。あの件について「勘違いしてました」とコチラが言うから、先方も「そんなこと気にしてないよ」と爽やかに言えるのだ。
だから、距離的に近い人との間で生じる勘違いに関しては、すぐに訂正できるのであまり気に病まない。もっと遠くにいる人や、極端に会う機会の少ない人との間で生じた勘違いに関して、いつまでも気になってしまう。そう言う勘違いによって、少なからず失うものはある。それは、信用である。
数年前、滅多にない機会で会えた懐かしい人に、本当にしょーもない話をしてしまった。人から聞いた話なのだが、その話自体は事実だ。事実だが、僕はその話を脳内で勝手に発展させてしまっていた。だから話した相手のリアクションの薄さに違和感を感じた。そして、途中で話は行き詰まった。
そのあと、その人にフォローもせず離れてしまった。次に会う機会など、まったく期待できない。でも、大人だから会えたら挽回したいとは思う。チャンスがきたら、その時は関係を修復しようと試みる。おそらく、僕の心の闇はそこにある。そういった保留事項が増えることへの面倒臭さなのだ。
自分がおかしたミスなので、回収するのも自分だという理屈は分かる。でも、そんな些細なミスは無限にあって、シチュエーションごとに別のミスを思い出して大量発汗している。まったく無駄なストレスだ。でも、それは全部、その相手に好意を持っているからなので、つまりモテたいのである。