ノーアルコールライフ

 いろんな場所で「ノー◯◯、ノーライフ」というキャッチコピーを見る。◯◯がなければ生きていけない、のような意味だろう。つまり、◯◯に対する過剰な愛を表現した言葉だと思われる。でもコレって、語源というかオリジナルのキャッチコピーがあるよなぁと、いつもモヤモヤするのである。

 その元は、外資レコード屋が提示した◯◯内が「ミュージック」になるものだ。でも、その言葉にしても元があると思う。それは、音楽好きなら誰でも知っているボブ・マーリーの「ノーウーマン、ノークライ」。これは、元の曲に対するオマージュのようなキャッチコピーになっていると思う。

 ちなみに、この「ノーウーマン〜」に関して僕のラグビー仲間だったイギリス人が、あれはジャマイカン英語なので、意味としては「マイベイビー・ドントクライ」という「泣かないでマイハニー」的なニュアンスだそうだ。慣用句的な表現で、男友達に「泣くなよ」って励ます曲だと思っていた。

 先のレコード屋のキャッチの方で考えると、ジャマイカン英語的には解釈できない。意味合いとしては、やはり「音楽がなければ生きていけない」となるのだろう。いい言葉だ。古い人ならばフィリップ・マーロウの「強くなければ生きていけない〜」というくだりを思い出すのではないだろうか。

 などと、知った顔をしてみたが、このチャンドラーの小説の言葉は沢木耕太郎のエッセイで見たものだ。実際の小説は読んでいない。あまり好きじゃない言葉なのだが、これに続く「優しくなければ生きている資格がない」という部分を足せば、なんとなく許せる。強くない僕にとっては特にそう。

 いまの僕のキャッチコピーは、タイトルにもある通り「ノーアルコール生活」を目標にしている。別にちょっと控えれば良いのだが、ひとまず完全に断たないとシビアな数値が出ないような気がする。だから、ひと月ほど完全に酒を抜いてから採血しようと思っていた。そんな決意も絶賛揺らぎ中。

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かつて、タバコを絶った僕は、現在アルコールを断とうと奮闘中。その褒美に麺。