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 僕のやっている仕事は何処にいてもできるタイプのものなのだが、発注元の事務所でやることが多い。それは、僕の作業環境が整っていないからだ。その会社で行う業務に合わせて態勢を整えれば、現場に行く必要はないと言える。でも、そこに行く意味はある。それは僕の健康面への配慮である。

 現在のような仕事の形態になって10年近く経つが、当初から作業環境への懸念があった。いい加減最新式のソフトを導入しないと仕事もなくなるだろうなと、ずっと思ってきた。最新式のソフトはサブスク形式での販売しかしていないので、そこへの違和感から保留し続けてきたという言い訳だ。

 本当はとっくに諦めている。いつ移行しても構わないし、今日にでも最新式ソフトを入れてしまいたいと思っている。でも、まだしない。そのソフトを手に入れたら仕事も広がるはずだが、しかし、自由度が増すと自分では管理できない予感がある。端的に言えば「使いこなせない」という問題だ。

 現在、各仕事先で僕がやっている業務は「手習い」の要素がある。スクールに行って習うようなことを、現場のスタッフからコソッと教わっているわけだ。この技術を使えば儲けられそうだなと思う反面、個人の裁量を超えている気もする。そうなったら人に振ればいいだけだが、その経験がない。

 ひとりで済ませたいと思う気持ちは、要するに自由でありたいという願いの現れだ。自由すぎると「何もしない」のと同じなので、その自由は用途による。やりたいことがないのなら、自由である意味はない。それを見つけるために生きてきたのだと思うが、果たして見つかっているのかとも思う。

 僕の現状は「酒を飲んで旨いものを食べる資金稼ぎ」として仕事をしている。働く目的は明確だ。ただ、酒や飯食いがやりたいことかと問われれば、違うような気もする。もっと楽しさを求めている。楽しくなるための手段として酒があるだけで、目的ではないようにも思う。そして今は断酒中だ。

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山奥で自然に囲まれて暮らしながら、最先端の仕事をするってのも憧れる。