ニューイヤードリーマー

 初夢は、昨夜見た夢を指す言葉だと聞いた記憶がある。正月2日から3日にかけて見た夢のことだ。そこで有名な「一富士・二鷹・三茄子」という吉夢のアイコンが今年の運勢を占うとか、なんとか。詳しいことは知らないけれど、夢に鷹と茄子が出てきた記憶はない。富士山はあるかも知れない。

 寝る前に強く意識しない限り、毎晩見る夢の内容などは覚えていない。よく見る夢というのはあるが、それは「最近あの夢を見ないな」と意識した日に見たりする。その夢は設定の流用で、かつてよく見た夢が、夢の中で次第に変化していったのだ。自己完結型メタフィクションとでも呼ぼうか。

 子供の頃は、アリの巣のような世界でみんなが生活している夢をよく見たものだ。トンネル状の通路を進むと、ところどころに横穴があって人が住んでいるのだ。その穴が住み心地良さそうで、起きてからも洞窟に住む想像をしてしまう。閉所恐怖気味の僕だが、狭小スペースでの生活には憧れる。

 限られたスペースを上手に利用するという発想が、むかしから好きなのかも知れない。以前、コンテナを重ねて事務所や倉庫にしている人と会ったことがあるが、あの使い方は理想的だった。広い土地にコの字型に配置されたコンテナは2段重ねで、子供の頃の秘密基地願望を実現したような趣だ。

 話がだいぶ逸れてしまったが、昨夜の夢のことだ。夜中にスマホ緊急地震速報によるアラームが鳴り、そこでバチッと目覚めてしまった。アラームを止めても、遠くで耳鳴りのような音が鳴り続けていた。ほどなく地震が来て、息を潜めて成り行きを見守った。その間も小さな異音は鳴っている。

 その異音は街中の「止め忘れたアラーム」が響いているんじゃないかと想像した。そのうち聞こえなくなったが目が冴えて1時間以上眠れなかった。朝起きて、別の部屋に行って異音の正体を見つけた。自分が使っているもう1台のスマホが鳴っていたのだ。ご近所の皆様、ご迷惑おかけしました。

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赤い橋というのは何となくめでたさ、ニューイヤー感があると思う。