クルマの中で寝たかい?

 免許を取った次の年に、会社の先輩からタダで国産のスポーツカーをもらった。そのクルマについては、先輩から「ロータリーエンジンだぞ」と言われたけれど、当時クルマのことはサッパリ分からなかった僕は返事に困ってしまった。当初は「面倒なオモチャを引き受けてしまった」と後悔した。

 それでも、クルマを手に入れて少し経つと喜びが湧いてきたものだ。家から離れた場所に借りた空き地の駐車場に停めたクルマに、意味もなく乗りに行ったりした。運転が下手だったので最初のうちはあまり動かさず、ただ、シートに座ってボーッとしていた。それは、初めてのマイルームだった。

 エンジンだけ回して、カセットテープに入れた音楽を聴いていた。その頃、よくRCサクセションをかけていた。クルマの中で「スローバラート」を聴いていると、曲の世界に引き込まれたものだ。ただ、狭いクルマだったので、そこで寝ようという気分にはならなかった。一瞬の逃避行動なのだ。

 そんな僕が、いま現在キャンプ場の駐車場でクルマの中で寝ている。正確には寒くて眠れないので、気を紛らわすためにブログを更新している。昨夜はビールを数本飲んで勢いで寝入ったのだが、2時過ぎから寒さで目覚めて以来起きている。むしろ、寝たらヤバいレベルと感じたので起きている。

 業務内容の詳細は省くが、年に数回、キャンプ場で車中泊することになる。自前でシュラフを手に入れて、寝心地最悪な車内で過ごすことになる。そして、どの季節でも結局寒い。むしろ、この仕事は真夏には来ないので、寒い季節にしか車中泊をしないことになる。そして、高確率で風邪を引く。

 ただ、クルマの中で寝るたびに、頭の中ではRCサクセションが流れている。そういえば、あの曲の中の2人は毛布にくるまっているんだったな。シュラフにブランケットがあれば完璧な暖を取れるんじゃないか、そんな連想をしたけれど、準備を整えたらまたこの仕事を引き受けることになるぞ。

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クルマの立ち入りを禁じてある竹林の竹は、伸び放題。