連戦観戦、疲労困ぱい酒場

 よく行く酒場がラグビーW杯の日程に合わせて営業しているので、土日でも興味深い組み合わせがあると昼から開けている。通常時は17時からの営業で23時まで、日曜・月曜は定休日の店なのでありがたい話だ。昼から飲めるのは至福の時間、それにラグビー観戦まで付くという極み。

 別にラグビー好きが多く集まる店でもないのだが、店主が前回大会でかなりラグビーを好きになり、この際「観ながら覚えちゃおう」と思い立ったらしい。ラグビー経験者の僕としても嬉しいところだが、意外と隠れファンが多くいて、この営業を機会によく顔をあわせる人も増えてきた。

 それもすべて、現在のジャパン(ラグビーの日本代表だけはこう呼ばなければ気が済まない)が強いからだろう。たまに「よくルールが分からない」と言うお客さんも来店するので、僕からも積極的にルールを解説している。ざっくりとしたルールを理解してしまえば楽しめるはずだから。

 サモア戦での勝利で無傷の3勝目となったジャパンだけれど、なぜか最終戦まで決勝進出が確定してくれない。次戦のスコットランド戦は、前回のW杯で惜しくも負けているという因縁の組み合わせだけど、この国と対戦するジャパンの姿は古いラグビーファンには馴染み深いものがある。

 僕がラグビーを観はじめたのは高校に入ってからだが、その時期に開催したのが第2回W杯だった。その2年前に当時の宿沢ジャパンがスコットランドに勝った話は有名だが、現代ラグビーは進化しているし、ジャパンの戦力も全く違う次元で語られるべきレベルだ。ただ懐かしくはある。

 ラグビーを観ていると、リアルタイムで進んでいる試合とともに自分の時間がすこしだけ学生時代に戻る。熱く観戦しながらも、そのうちチームメイトでもあるかのような親しさで選手を眺めてしまう。感情が揺さぶられるラグビー観戦、この数週間は幸せな疲れが日増しに溜まっている。

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酒場で消費されたハイネケンラグビーのポジションを再現したが、失敗。