2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ワイルドキャットの夜

犬派猫派論争。僕はどちらの派閥にも属さないが、人から聞かれたら「犬の方が好きかな」と答える。犬とは縁がある。別に良い話でも何でもないが、よく噛まれる。小さい頃から最近まで、何度か印象的な噛まれ体験があった。だから恐怖の方が優るのだが、それ…

アンバランス・スティック

僕は割り箸を割るのが苦手だ。無意識に割ると必ずアンバランスな割れ方をする。もともと割り箸って長さが物足りないのだが、バランスを欠くと短い上に持ち難い。全飲食店が再利用できるタイプの箸に変更すれば良いのに、今でも割り箸が幅を利かせている。誰…

過剰な宴による減量法

僕に自傷行為の癖はないが、たまに乱暴な欲求が抑えられなくなる。一昨年から健康のために体重を90キロ未満にキープするようにしているのだが、そのためにはジョギングをしなければいけない。散歩でも良いが、部活野郎なので走らないと気が済まない。その…

雪の予感に震えて眠る

子供の頃は雪が大好きだった。関東住みの人間にとっては非日常の世界、それが雪だ。普段見慣れた景色がまるで変わる。それは、つまらない毎日が、嫌なことばかりの生活がリセットされるような感覚だったかもしれない。別に子供時代にツラい経験をしたわけじ…

頭の中だけで飛べ

仕事の縛りもあるが、体が自由になれない時は頭の中だけでも自由でいたい。子供の頃は、想像力で飛べる距離は実生活の範囲内だけだったと思う。でも、現実味のあるジャンプが可能だった。記憶にある範囲のどの時間でも、まるで現実にそこにいるようなリアリ…

呪いを解くのは労働

昨日から仕事に取り憑かれてしまい、頭から業務が離れない。慣れないし得意でもない仕事だから、とにかく早く終わらせたい。その一心で、最速でミスなく仕上げられる方法を模索している。そんな感じで落ち着かないから、つい発注元への電話確認が多くなって…

仕事に取り憑かれる

先日から新しい仕事に取り掛かっているが、慣れないため苦戦している。難しい作業ではないのだが、急ぎでありながらミスを許されないというのがプレッシャーになっている。僕はプレッシャーに弱いので、こういう仕事は早く終わらせたい。でも、速さがミスを…

意固地なシスター

僕には5つ歳の離れた妹がいる。年齢差があるのと、先に嫁いで行ったこともあり、あまり詳しく人となりを知らない。どんな人か分からないのだ。なんとなく地味で、引っ込み思案の陰キャというイメージだった。いや、それほど明確に陰キャと決めつけられるほ…

見つからない鍵の在り処

ふと思い出そうとしたことが、パッと浮かんで霧消してしまうことがある。思い出せないままだと気持ち悪いので、スマホですぐに検索する。でも、何かしら関連ワードが出てこないと探せない。そこで関連ワードを考えている間に、もともと考えていたことを忘れ…

Running with shout at the devil

大学の部活は、学生の自主性に任せた自由があるものだと聞く。でも僕が入学した当初は、旧時代のスパルタが横行していた。それは先輩の厳しさではなく、鬼コーチが支配する閉鎖空間だった。みんな高校時代は厳しいチームで鍛えられているので、僕以外は高校…

ネガティヴ不発弾の誤爆

気心知れた仲間と一緒にいると、つい本音がこぼれてしまう。僕は、普段からネガティヴなことにフタをして話しているので、そのフタを開けてしまうのだ。最初は恐る恐る開けて、でもちょっとフタをズラすと、中からネガティヴがぬんと顔を出す。酔いに任せて…

文字の羅列と踊ろうぜ

本を読むということは、少なからず知識を得ることでもある。僕はエンタメ小説かノンフィクション系しか読まないが、常に本を手元に置いておきたいと思っている。それはマンガを読む感覚と大差ないのだが、他人の目からは文学的な気取りに見えることもあるら…

パーティ・クラッシャー

昨年末に大学のOB会に期せずして参加した時に、急に終わりの挨拶をふられた。久しぶりに顔を出したので「なんか言えよ」的な軽いフリだったのだろう。でも、学生時代の僕は宴会でウケを狙うタイプだった。こういう場面に来ると、当時の自分がフラッシュバ…

なぜかモーターサイコー

僕はバイクに乗ったことがない。後部座席に乗ったことはあるが、公道を自分で運転したことがない。普通免許に付属されている原付ですら教習所でしか運転したことがない。バイクに対する憧れというか、理想像のようなものはある。小さめのオフロードバイクを…

崩壊寸前のヘイター通信

悪口が苦手な僕だが、それは「悪いことを言うと自分に返ってくる」という道徳めいた言葉を信じているからだろう。あとは、大勢で悪口で盛り上がった後の居心地の悪さを感じるくらいなら、まったく悪口を言わない方がマシだと思ってしまう。心の健康のために…

ハイプレッシャーライフ

以前の職場の同僚で、今でも月に一度は顔を合わせる人間がいる。僕は外部スタッフとして関わっているだけなのだが、彼はその事務所の専任スタッフである。いつも事務所に泊まり込んでいるので、外見が酷いことになっている。その事務所はガスを引いてないの…

ヤングアダルトの式典

子供の頃は本屋によく行っていた。立ち読みしやすい本屋を何軒かハシゴして、ヒマな時間を埋めていた。その頃の薄ぼんやりとした記憶で、棚のコーナー名に「ヤングアダルト」と記載されていた。当時は何のことかわからず、その言葉の響きからエロスの要素を…

ポロリ、記憶ポロリ

中年域になると、小さい頃の記憶は鮮明で最近のことは全然覚えられないということが増える。それは、幼い頃は積み重ねた時間が少ないのでストレージに余裕があるが、その何倍も生きてしまった今となっては時系列にすべてを処理しにくくなるという。そんな説…

野球が目に沁みる

細々と続けていた草野球が、今年から活動を縮小するそうだ。今までも大々的に活動してきたわけじゃないが、市内のリーグに参加して年3回のトーナメントに出てはいた。それを年1回、秋の大会だけ限定的に参加することになった。本当は活動休止の予定だった…

灰色の塔とラビリンス

団地は迷路だ。市内にいくつかある大きめの団地に迷い込むと、何事もなく脱出できることがない。クルマなら袋小路に入り込み切り返すことになるし、自転車なら想定した道に出られない。別に方向音痴という自覚はないが、二択を確実に外すタイプなので、そう…

泡の中へ行ってみたいか?

ネットの動画で観たというか、聞いたことなのだが、「もしバブル期にタイムスリップしたら何をするか」という話題でのトークセッションがあった。世代の異なる数人が語らう緩いトーク番組で、その話題を振られたのはバブル世代の50代の漫画家だ。ただバブ…

いつまでも拙いテレパス

いま当たり前のように誰でもスマホを持っているが、僕が携帯電話を手にしたのは社会人になって3年目のことだった。まだ電話の機能しかない頃で、各社が拡販キャンペーンを展開して、機種代無料で登録者数を増やしていた。仕事の呼び出しが増えそうで嫌だっ…

さらば、デスバレーよ

若い頃は命の価値が軽いと思いがちだ。一般的な話ではなく、個人的な実感だ。死にたいわけではないが、死ぬしかないなと感じることはあった。具体的に思い出せるのは大学時代、ラグビーの試合でのワンシーンだ。僕のミスから逆転されて、そのまま負けたら「…

祈りのエイトミリオン

大晦日は酒場でカウントダウン。特に意味のない日付の変わり目だが、大勢が集まると祭りになる。くだらないTVの掛け声に合わせて、酒場の常連たちとグラスを合わせる。そんな日常が戻ってきた。いまだに感染者が何人だと発表するばかりで無策にしか見えな…

すべては消え去るもの

年末に体調を崩して、病院に行ったら時代遅れのウイルスに感染していた。新型のアレだ。家族と同居の身なので、家庭内感染を防ぐべくホテル療養を希望した。ネットでの申し込みなのだが、添付資料に不備があり返信が滞った挙句、父親に感染させた。それでも…