2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

最弱のポリスアカデミー

僕は学生時代、競馬場で警備員のアルバイトをやっていた。学校で斡旋してくれるバイトだったと思うが、ラグビー部全員が警備員のスタッフに登録して、持ち回りで週末ごとに呼ばれていた。バイトをまとめる係がいて、行きたい時にお願いするシステムだ。1年…

負けない負け犬、吠える

多視点の小説を読んでいると、その視点の転換によって思い入れが変わってくる。先日読んだ本は田舎の駐在と調査官のバディものだったのだが、最初に駐在の視点から始まるので、そちらに感情移入して読んでいた。でも、序盤の感じで、この感情移入は失敗かも…

わたし失敗するんです

数年間使っているスマホの液晶をガードするガラスカバーがヒビ割れていたので、思い切って剥がしてみた。今まではダメージ加工されていたような画面がスッキリ綺麗になった。でも僕はスマホをよく落とすので、やはりカバーは付けておいた方が良いと考え、近…

瞬間移動を我が手に

超能力ブームというのがあった。言葉だけだとあたかも超能力が実在するかのようなブームだが、実際はスプーン曲げとその検証程度の小論争だった。ESPカードなんていうのもあったな。透視能力のある子がカードに書かれているマークを当てるというヤツだ。…

夢は今日の予感

酒場の仲間と電車で出かけていた。その路線に初めて乗る僕は、仲間でイチバン電車に詳しい人間についていくだけだった。出先からの帰りで途中下車して、酒場が乱立するエリアで飲み直すことになった。そろそろ駅に着くというところで、電車に詳しい人が他の…

指先にアシンメトリー

外食するときは、割り箸を使うことが多い。それは店の都合で、僕が好んで割り箸を使いたいわけではない。できれば割らない箸の方が好みだが、それが用意されていないからといって食べずに店を出るほどのこだわりもない。本当はそれくらい嫌なのだが、空腹に…

はんぶん異世界の耳

中年域に入って長い僕なので、そろそろ体の不具合などにも気を配らなければいけない。この国でこういう言い方をするのか詳しくは知らないが、海外の映画などでは、いわゆる「中年の危機」と呼ばれる時期に入っていると思う。そこに映る世界と自分の現実のギ…

夢中にさせてくれ

面白い本は勢いで読み進めてしまう。時間が空くと手に取って、さっきの続きを知りたくて急いでページを捲る。それは幸せな読書体験だが、時にその熱狂に水を差すものがある。誤字脱字の類だ。こんなにスムーズに読み進められたということは、その箇所まで目…

窓際はグレーな季節

いま読んでいる本が残暑の季節の出来事らしいので、たまに読んでいて違和感がわいてしまう。こちらは滅法寒い部屋で読んでいるのに、汗がどうとか冷たい麦茶がどうとかいう表現が出てくる。やはり小説は、その舞台の季節と現実を合わせた方がいい。油断する…

白銀の数え歌

僕の世代の人間は比較的スキー経験者が多いと思う。スキーよりもスノーボードを選んだ人もいるが、とにかくウインタースポーツのために冬の山に行くレジャーが盛んだった。その移動手段として、四駆やステーションワゴンなどの荷室が大きいクルマの人気が高…

これが世界と君は言う

音楽配信サービスにより、最近は新旧かまわず興味の赴くままに音楽を探せる。店頭で買っていたときは商品を店員に見せなければいけないわけで、その瞬間に「ミーハーだな」とか思われたら嫌だなと思うこともあった。それでも自分が好きだから買うのだが、モ…

くだらないけど宝物

最近よく動画投稿サイトを観る。決まったチャンネルを毎日チェックしている。ひとつひとつの再生時間は短いが、ヒマな時間にサクッと観られて便利なのだ。僕がよく観るのはトークものなので、動画である意味はあまりない。ラジオの収録現場を観ているような…

消えたブックマーク

興味がないときは頻繁に目に入るのに、こちらが欲すると見つからないものがある。僕はブームに乗らないことを意識し過ぎているので、そのブームが過ぎてから後追いでハマッたりすると全然追えないことがある。あんなに街頭に溢れていたアレが、僕の手元にだ…

険しい道を経て得るもの

サブスク音楽配信サービスの利用を始めたのは昨年の後半からだが、それまではソフトで買って聴くことが「正しい聴き方」という思い込みが強かった。今でもちょっとズルしているような気がする。良い音楽には苦労して出会わなければいけないとの刷り込みがあ…

どのツラ下げて、どの口が

昨日まで2日間、イベントブースの店番を初対面のご夫婦と3人でやっていた。ご夫婦はイベントの取材やお客さん回りなどもあり、その間の居残りは僕が1人で対応する。それは全然苦にならない。それ以外の時間は狭いブースに3人で並んでいるので、ちょっと…

中年男の体重は減らない

昨年1年かけて減らした体重が、今年に入ってから増加の一途を辿っている。運動量が多い日も、食事の量が少ない日も、まるで減る気配を見せない。もう増えることしか考えていないかのように、体重計に乗ると微増。元いた場所に戻ろうとする本能かのように、…

人外のモノと異種格闘

誰かにとっての安全が僕にとっての危険になることがある。僕は雨や雪の日にはバスを使うことが多い。バスはむかしから、僕の町の基本的な足だ。その慣れ親しんだ足だが、僕には少しも優しくない。時間通りに来ないし、運転は荒いし、車内で立っていると乗降…

トレイン・トレーニング

満員電車が好きな人間はあまりいないと思うが、ご多分に漏れず、僕も混雑した車内は苦手だ。人を押して乗り込むラッシュの電車で、その詰め込む姿の無様さや必死さが気持ち悪くてスルーした経験が何度もある。そんなことしてるから仕事に遅れる。でも、それ…

頑固オヤジをプロデュース

たまに無愛想をこじらせた飲食店がある。大将が不機嫌な感じで鍋を振っているような、中華屋などで見かけるスタイルだ。それはポーズなのか、もしくは真剣に作業をしていると顔が怖くなるタイプなのか。後者の場合は会計の時に分かる。強面の親爺さんが急に…

変わるもの変わらないもの

昨年まではほぼ週1ペースで通っていたラーメン屋に、今年になって初めて行った。いや違うか、昨年は僕の減量キャンペーンで月1くらいにペースダウンしていた。それでも定期注入したくなる慣れ親しんだラーメン屋だったのだが、すっかり疎遠になってしまっ…

にわかDJ、カーラジオ

日曜日の朝はダラダラしてしまうことが多いのだが、昨日は朝から家の用事があってクルマで出かけた。妹の家に改修だか何だかの工事が入るので、旦那さん以外は邪魔だから出て行けということで、我が家に引き取るために迎えに行った。よくよく考えたら初めて…

滑走して宙を舞う

冬季のオリンピックは、いつも知らない間に始まっている。僕がウインタースポーツに疎いこともあり、追いかけていないからだ。でも、始まると見てしまう。ワンデイで結果が出る競技が多いので、その場でにわかファンになりやすいのだ。そして、結果が出た後…

掘り起こして磨く

僕が幼い頃は、まだ近所の道が舗装されていない砂利道だった。僕の住むエリアが完全にアスファルト舗装されたのは、小学校に上がるすこし前だったかと思う。ハッキリとは覚えていない。ただ、近所の空き地にやたらと鉄骨などの資材が積まれていた記憶がある…

花束抱えて駆けつけよう

すこし前に古いメールを削除していたら、いくつか女性とのやり取りを見つけた。ほんの数年前のことだが、かなり前のことのように感じる。それらの女性とは疎遠というか、よもや連絡するキッカケも掴めない。こちらの記憶もかなり曖昧だし、先方にしても「あ…

心に小さなファイアー

先日、朝から家に電話があり、妹の娘が第一志望の高校に合格したとの報告があった。母親からの又聞きだが、それを聞いて後から僕も妹にラインを入れた。無性に嬉しかったので「何か欲しいもの聞いておいて」と送った。いま自分に良いことがあっても、ここま…

完全無欠の正義を創作

僕は小説や映画などで、勧善懲悪ものをあまり好んで選ばない。ハッキリ正義と悪が分かれるような世界なんてないと思うから、正義側の人物が語る正義感が嘘くさくて冷めてしまうのだ。でも、その境界がハッキリしない話ばかりを選んでいると、たまには白黒ハ…

初志貫徹はむずかしい

歯に衣着せぬ発言なんて言うけれど、頭に浮かんだ言葉を何の配慮もなしに垂れ流しているだけとも言える。配慮は人をクサクサした気分にさせるので、時には思いつくがままベラベラと話したくなる時もある。でも、やっぱり優しい方が良い。過剰な配慮は要らな…