2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

場所取りゲームは不参加で

酒場にいると、たまに道場破りのような客が現れる。それは、この店の看板を賭けて「カクテル対決をしよう」などという勇ましいものではない。むしろ視線は客に向いており、店主に向かって「常連ヅラした連中が多いと入りにくい」などと言う。その言い草が、…

焼肉の日の、次の日に

バーベキューを「みんな好き」だと思っている人は多い。誰でも外で肉を焼いてワイワイやるのは楽しい。幹事は大変だが、割と周りも協力するものだ。よく「常識を疑え」と批評性を持って社会を見るような人でも、バーベキューに誘われたら普通に「行く行く」…

同年代程度のヴィンテージ

自分が身につけるものの銘柄にこだわり始めるのは、小学校の高学年くらいからだろうか。僕の場合、まず最初にメーカー名を認識したのは野球用品だった。あの頃、グローブといったら「ミズノ」だ。あの「赤カップ」に憧れたものだ。メーカー内の等級を色分け…

週末、海にでも

僕は、夏の誘惑に駆られて海に行くというタイプではない。どちらかというと季節外れの海の方が好みだ。それは、混んでないからだ。でも、昨今は動きを抑制されている情勢でもあり、夏の海もそれほど混んでいないのかもしれない。別に海に行って泳ぎたくはな…

勝手に『かすみ草』を検証

僕は斉藤和義の『かすみ草』という曲が好きだ。この曲はいわゆるアルバム曲だと思うのだが、ちと調べたら某有名ファストファッションブランドのCMタイアップ曲になっていた時期があったらしい。その頃はピンと来てなかったようだ。例によって、PCでシャ…

ウィスパー&ヌードル

暑いと外食する気分にならない。でも、ちょっと涼しくなると、またすぐに行きつけのラーメン屋に行きたくなる。濃ゆいのを体内に打ち込んで、自分で自分を騙すような感覚だ。「オレはこんなに濃ゆいものを食べても消化できる元気印なんだぞー」と大声で叫ん…

獅子舞と五百円

僕が初めてやった仕事は祭りの手伝いだ。小学生の頃、よく遊びに行っていた近所のお兄さん(遊び人風)の家があった。外見はサーファー風のスタイルなのだが、子供をキャンプに連れて行ったりするのが好きな世話焼きの人だ。そのお兄さんの家の裏にある神社…

間が悪いのは俺じゃない

小さい頃、よく「間が悪い」と怒られた。今で言う「空気を読め」に近いことだろうけれど、子供に求める要素ではないと思う。しかも、それらのほとんどは誤解だった。僕は分かっていた。そこで弁解しても「うるさい」と一喝されるだけで、僕の立場が改善する…

地球を踏んだり蹴ったり

毎日の日課というわけじゃないが、仕事が激減したせいで外出する用事がないので、健康のためになるべく朝ジョギングしている。日焼けが目的ではないけれど、足が不健康に白いので、そこだけは焼きたい。足が日焼けしていると、短パンを履いた時にスラッとし…

アクセルほどほど北上せよ

最近、仕事で回るお客さんの数が激減したので、いい機会なのでダブルワークに移行したいと思っている。平たく言えば、フリーランスじゃ食えないのでバイトするだけの話。側から見ればフリーターである。そこに明確な違いがあると主張する気はないので、フリ…

G線上で震えて眠れ

ド頭から【グロ注意】を掲げておこう。先ほど、朝のシャワーを浴びようと浴室に入ったら、足元に黒い影が走るのを見てしまった。見なかったことにしてシャワーを浴びるという選択肢もあったかもしれない。でも、一旦ヤツの気配を感じてしまったからには、う…

バツの悪いヒップ

吹き出物が出やすい体質で、中学生の頃はニキビ面な上に、尻の吹き出物にも悩まされていた。尻の吹き出物は学生にとって致命的だ。授業中は、ほとんどの時間を座って過ごす。その接地面に吹き出物ができている場合、かなり高確率で潰れる。潰れた吹き出物は…

リメンバー、フォーゲット

以前観た映画で、内容は覚えてないけれど面白かったような気がして、改めて借りて観ることがある。そこで、観ると「ああ、こんな感じだった」と頭で納得した時点で、新しい発見を探して観ることはない。ただ、惰性で流しているだけだ。だから、何度も観てい…

がらんどうの街に独り

正月や夏休みなどで、街が異様な静けさに包まれている時がある。シーンと白けているような、キーンと冷えているような、瞬間的に街が無機質な書き割りのように感じることがある。単に視界内に人間がいないということだけじゃなく、その人間の気配が、生活の…

ノーヒント、記憶の遺失物

ふとした瞬間に思い出した事柄が、思い出した部分から先に進まないことがある。ある断片を思い出したのだが、それが、その記憶のどの部分なのかも分からない。僕が断片的に記憶することが、その対象の主たる部分じゃないことは多々ある。ひねくれ者で、常に…

暗黒街からの生還

昨日は1日、冷房を効かせた部屋で、友達から借りた本を読んでいた。読書は電車の中が最高なのだが、借りた本がハードカバーの単行本で分厚いので家読みにした。家飲みのような感覚で家読みと記してみたが、別に特別なことじゃない。ただ、家で本を読んだと…

明け方、君が耳元で囁くから

暑いから、寝苦しいから仕方ないのだけれど、早く起きてしまう。起きた時に空が白んでいたら、もう諦めてスマホの画面を見てしまう。画面で時間を確認したつもりが、そのまま適当なアプリを開いたり、SNSを流し読みしてしまう。すると知らぬ間に二度寝に…

駅のホームは灼熱地獄

僕が会社員だった頃は、まだ「クールビズ」がそれほど浸透していなかったと思う。直近に辞めた会社では服装が比較的自由だったので、夏場は薄着で過ごしていた。それでも得意先を回るような時は、スーツの上着を着用して先方に向かった。いや、着用するのは…

温度感知センサー内蔵

このところ毎朝ジョギングしているので、気温の変化に敏感になってきた。昨日までは殺人的に暑くて、走りながら体調に気を使わなければいけなかった。頭が痛くなったり気持ち悪くなったらアウトなので、タオルで頭への直射日光を防いだり日陰を選んで走った…

夏野菜を召し上がれ

僕は野菜が好きだ。家の食卓では必ず大皿のサラダが用意される。思春期の僕の食欲を記憶している母親が、いまだに大量のサラダを作ってくれる。今ではそんなに食べられないのだが、残った野菜が翌日も残念な状態で出てくるので、食べきるようにしている。だ…

そして今年もはかない命

毎年夏が来ると、野外で鳴り響く2枚の羽の振動。セミの鳴き声だ。実際は羽と腹を擦って鳴らす摩擦音と、腹のなかに音を共鳴させる器官で音量調節ができるという結構凝った仕組みで鳴いているそうだ。いよいよ楽器だ。向井秀徳オマージュで「2枚の羽の振動…

じんわり不機嫌な川辺

この暑熱の中、ジョギングに目覚めてしまった。本当ならば早朝に走って気持ち良くひと汗かく程度の運動にしたい。でも、起きれないので、気がついたらギラギラの太陽に照り焼かれることになる。家に着くとフラフラになってしばらくボ〜ッと無力化する。その…

あの夏のジュースをひとくち

暑い日に思い出すのは、学生時代のハードな部活だ。すべての部活学生が真夏の練習は地獄だったと記憶していることだろう。学年が上がるに連れ、その地獄の度合いは増す。そして、大学のラグビー部に至ると「高校までは天国」と感じることになる。まあコレに…

デリケートな人びと

誰でも言われたら傷つく言葉はあると思うが、傷つき方には個人差があるようだ。僕は鈍感なので、または経年劣化にもよるのだろうけれど、ほとんど見かけの傷は負わない。ちょっと不機嫌になるとか、その日1日だけ気に病むことはあるかもしれないけれど、そ…

きっと空も飛べた頃

この季節の主役は子供だ。夏を楽しむ場面で大人が登場すると美しくないような気がする。子供にないのはお金で、大人には楽しさを金で買えるアドバンテージがある。だから、大人になっても夏は楽しかったりする。マリンスポーツや、避暑地や南の島への旅行な…

ヌードルスープは完飲せよ

健康に気を使って普段の食生活を見直したり、効率を重視して栄養をコントロールしたりする、いわゆる意識高い系の行動ができない。そのような行動様式にすると、あまり食生活に気を使っていない人に対して厳しくなりそうな気がする。他人が太ろうが、痩せよ…

熱い世界で夏いちばん

汗かきな僕は、学生時代、帰り道にあるすべてのコンビニに立ち寄っていた。多少の汗は仕方ないのだが、最高潮の発汗がはじまると僕の体表すべてが水浸しになる。うすく汗コーティングされてビチャビチャになる。そうなると抑えられないので、コンビニで冷や…

分かりにくさがセキュリティ

僕の勝手な思い込みだが、外国の飲食店は赤い。特にアジアは赤い。食材が赤い場合もあるが、壁や店内の装飾が赤いように思われる。看板にも赤が用いられることが多い気がする。それは人目をひく効果を狙っているのだから、僕のようにTVの画面越しに観て惹…

猫の手を貸してあげる

よく行く居酒屋の元バイトの女性が夫婦で飲み屋を開店するということで、その準備で忙しく動き回っている。その一環として店内の塗装作業を手伝う人員を募集していたので、友だちと一緒に顔を出した。白いペンキをローラーで塗りたくる作業に没頭して、頭の…

言葉は無力な唯一の武器

話しても聞かない人がいる。もしかしたら僕もそうかもしれない。みんな、自分の意見しか言わず、人の意見は聞いていない。人の意見を聞いているように見えても、それは自分の意見と近い部分だけを選り抜いている気がする。少なくとも僕はそうだ。だから、他…