2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

定食屋で腹いっぱい

ここ数年は、フリーランスという都合のいい言葉を後ろ盾に、会社勤めすることのない気楽な身分のまま仕事をさせてもらっている。仕事がなければ無職と変わらないので、日によっては「無職とみなす」ということもできるだろう。今日は仕事と仕事の谷間なので…

ショートカットのならず者

学生時代は部活の遠征でいろいろなところに行ったような気がするのだけれど、やることはラグビーの練習か試合だけなので、その土地のことはあまり覚えていない。合宿では、朝の練習以外は練習試合ばかりなので、その合間に多少の空き時間はある。でも、体が…

現世は仮の住まいか?

街で見かける「変なカタチ」の建物を訪問するTV番組が好きだった。狭い三角形の土地に無理やり立てた、ショートケーキを細くカットしたような建物は街中でもよく見る。あの先端部分、つまり最細の内観を見たいのだ。ただ実際に見るとファンタジーではなく…

アニマルのマニュアル

小さい頃は家で犬を飼っていたと両親から聞いたことがあるが、犬に懐かれるタイプではない。よく行く得意先が飼っている代々の番犬たちには、毎度噛まれる。特に先代の番犬は優秀で、僕のお気に入りのスニーカーに歯型が残っていた。今はそのスニーカーも番…

こころ揺さぶるマニアたち

先日、長いこと探していた文庫本を書店で見つけたので、即ゲットした。発売して間もない頃は書店に平積みしてあったのだが、翌週になると棚に移動される。さらに数週間経つと、もはや書店では見かけなくなる。初版が売り切れたら重版ということになるが、出…

熱き星たちに誓う

プロ野球の応援の仕方は人それぞれ。ファンの数だけ応援するスタンスやスタイルが違って良い。好きだけど球場には行かない人がいれば、グッズを買って球場で声出して応援するのが好きな人もいる。データを集めて、それを元に分析するのが好きな人がいれば、…

どこかで会ったに違いない

酒場で会って話すようになっている人の中には、知らぬ間に仲良くなっている人がいる。最初に酒場通いをするようになった頃は、ひとりで飲みに行くことはほとんど無かった。連れがいるから、周りの常連とは壁ができてしまう。その壁を取っ払うためには、ひと…

カビの生えた思い出 

よく行く居酒屋に、店が終わった後に聴く用のポータブルレコードプレーヤーが置いてある。それを見て、数人の常連が自分のレコードを持ち寄って聴いていた。そういえば我が家にも「レコードがあったよな」と思い屋根裏収納を探してみると、カビくさいレコー…

本当に道は無数にあるのか

子供の頃は、早く大人になりたいと思っていた。歳をとりたいわけじゃないのだが、歳をとらなければできないことがあるからだ。本当は子供にもできることなのだが、子供がやるには大胆な発想の転換が求められるような気がする。僕が大人になりたかったのは、…

コミュニケーションも味

昨日は千葉方面に仕事のため、最寄駅から錦糸町に出て総武線快速に乗り換えなければいけない。先方への到着時間を考慮すると、錦糸町を出る時間は1時前。だから、昼飯のタイミングなのだが、ジャスト過ぎて混み合いそうだ。店前の行列を見ると自動的に素通…

フラッシュバック・冬

なんとなく7月は「もう夏だ」という気分で生きてきたのだが、平年の梅雨明けを見てみると本日21日が平均的な関東の梅雨明け日のようだ。梅雨の間は天気が安定しないし、雨でジメジメするので、体感的には「暑い」というよりは「鬱陶しい」という感覚の方…

去りがたき戦場

締め切り間際の職場というのは「祭り」のようなもので、熱狂の渦の中で浮かれる。僕の仕事は、締め切りを過ぎた現場で先方と調整しながら残りの仕事を後追いで納入させる手伝いだ。あくまで手伝い。現場の中枢にはおらず、自分の意思でできる仕事もない。た…

うわっつら相談の末路

酒場の話題を聞いていると、だいたい男女の関係性の話が多い。誰が誰と付き合っているとか、アイツは浮気しているとか、あの子は小さいサークルの中で男を乗り換える性悪女であるとか。その話のテイストが相談スタイルを取っている場合は返答しなければいけ…

隠れ潔癖症の憂うつ

学生時代は部活の同期から「不潔日本代表」かのように言われていた。僕が寮に帰ってすぐ風呂に入らないからだ。本当なら僕も、部屋に帰ってすぐに風呂に入りたい。風呂といってもシャワーを浴びるだけだ。でも、僕の寮の部屋は母屋と呼ばれていて、寮母さん…

駆られ焦がれる旅の空

先日まで、室町時代の史実を基にした時代小説を読んでいた。それは、京都を中心に繰り広げられる権力者と市井の民との闘いである。市井の民と牢人が手を取り合って、時の権力者たちに反旗を翻す物語。京都市中に一揆の軍勢が雪崩れ込み、金貸しの蔵や大名屋…

擬似体験というやつさ

朝のワイドショーで、都立高校の校則で「ツーブロックを禁止」することについて議論していた。その発端となった都議の質疑の模様も放送され、その際の教育長の回答が「事件や事故に巻き込まれないように」というものだった。そこで、その回答に関する「根拠…

宴会部長は背中で語る

大学のラグビー部に入った時、僕は孤立しないために「笑われる役」を買って出ていた。まあ、正確に言えば僕の根っこにある調子ノリが、最初に宴会芸でウケちゃえばラクだと思っての自発的な行動だ。どうせ新入生は、上級生から「何かやれ」と無茶振りされる…

路上の無念

クルマを運転中に見かける路上の落し物で気になるのが手袋だ。まるで手首から切り落とされたみたいに、道路に晒し首ならぬ晒し手首の感じで落ちているのである。「上手いこと落ちたものだ」と思う。でも、確認しないので、あの中に身が入っていないとは言え…

酒場に不要なラップトップ

よく行く酒場から仕事を手伝ってくれと頼まれたので、先週末はノートパソコンを持ち込んでビールを飲みながら作業していた。営業時間中なので、なるべく邪魔にならないように端っこに座っていた。でも、酒場のカウンターの端っこは人気席だ。片側がフリーな…

酒飲むと走る男

僕は、どんな時でも走れることが理想の状態だ。思い立ったら走り出せることは、人間にとって最大の武器になると思っている。だから、いつも走れる体でいたい。と思いつつ、かなり長いこと走れていない。ゆっくりとジョギングを始めて、割と走れるようになっ…

その感情には名前がある

僕が子供の頃からずっと読んだり、見てきたものからの影響として身につけた感覚というか、どん底から見上げた上空にいる仮想敵に対して燃やす怒りを常に持っているような気がする。だから、いわゆる「上から目線」で話してくる人に遭遇すると身構えてしまう…

極めて微細なヒーロー願望

よそ見してクルマの前に飛び出してしまった子供を、沿道から駆け込んで身代わりになる大人の姿を何度か見たことがある。もちろんそれは漫画やドラマの中での創作。それでも、交差点で信号待ちをしている時に、挙動が怪しい子供を見かけると、自分は「飛び出…

ストレンジウェザーランド

今世紀に入って以降だろうか、毎年「記録を更新」し続ける異常気象で各地に甚大な被害が生じている。このような被害を防ぐには、治水などの膨大な時間がかかるインフラ整備が必要なので、対策も追いつかないだろう。コロナ禍で疲弊した日々に、自然界はさら…

見たことのある世界

近所のことでも、隅々まで知っているわけじゃない。特に、距離的には近いとはいえ、隣の市のことはわからないことだらけだ。自分が使う道や、最寄駅の周辺くらいしか目に入ってこない。自分が暮らす市内でも分からないことは多いが、何もない地域だと自信を…

夜は悪意の底なし沼

昨夜、寝る前に考えていた仕事の段取りを追っていたら、不穏な展開になる想像しかできなくなってしまった。ある仕事に関して「条件を詰めなくちゃなぁ」と考えていたのだけれど、交渉が揉める想定しか思い浮かばないのだ。その相手が「他人を言いくるめるの…

投票日にはステーキを

いつも、いきなり連絡してくる大学の同級生がいる。昨日の午前中、完全に二日酔いで死に体の僕は、ベッドに寝転がってTVを見ていた。横たわった体に魂は残っておらず、抜け殻のような放心状態で捨て置かれていた。そこに一通のメールを受信。我にかえり、…

休みの機嫌は野球次第

年齢を重ねるとともに、野球を観る熱心さが増してきた。ここ数年で、酒場の飲み仲間との野球談議の機会が増えたからだ。相手の熱心さにつられて、自分のひいきのチームのことも調べるようになる。そのタイミングで、たまたまそのチームが上位に食い込むよう…

ジュライなベイベー

誰しもが、夏にまつわる浮ついたエピソードをひとつくらい持っていることだろう。仮に、歌の歌詞になるような「ひと夏の経験」的なものじゃなくても、非エロで楽しい思い出くらいならあると思う。僕に関しては非エロ方面の思い出しかない。むしろ通年で見て…

天使におくる言葉たち

読書好きな女子に貸していた本が、昨日、まとめて返ってきた。紙袋の中には、本とともに「ありがとうございました」とひと言添えたメモと、彼女のお気に入りのお菓子が入っていた。気がきく子だ。僕は、こういう気の利かせ方ができなくて、いつも善意の受け…

ポータブルアルコール

熱中症対策という意味ではなく、尿酸値対策として水分補給を怠らないようにと医者から言われている。必然的に熱中症対策にもなる。家の作業部屋が我が家で唯一のエアコンなし部屋なので、夏の在宅業務は地獄の沙汰。どんなに対策しても暑いので、知り合いの…